「拈華微笑」を読み終えて 平成27年 3月 17日
この本を手にしたとき、まだ冬の寒さをむかえる前だった。読み終えるまで、どれほどの時間をかけたのか。今まさに、美しい表紙画のような桜の花が、芽吹き始める。
拈華微笑を読み終えて、私にもやっと春が訪れた。
佳津先生の文字は、私の心へとやさしく語りかける。まるで踊りを舞っているかのようなリズミカルな文章は、ときに難解で捉え難いセクションも、わかりやすく、すんなりと心の中に言葉を染みわたらせてくれる。
なんとも居心地がよく、余韻にひたる。
佳津先生との出会いは、まさに安心立命である。
満月新月鋭利な三日月 心安らぐときなれば 月の満ち欠け知りたるも
月の光がそそがれば 我の至らぬ無知を知り 命たぎらせ心に舞う
今宵の月はいま何処
大谷 綾