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 旅にしあれば    平成27年 9月

  早朝に、大阪を出発して、この町にたどり着きました。
路線バスから降りるとき運転手さんに、この前の道をまっすぐ歩いていくと
すぐにわかりますよと教えてもらい、
念願のところにやっときた嬉しさに速足で歩きました。

誰一人とも出会わずに、目指していたお堂に着きました。
ひんやりした空気のなかで、いろいろな想念が我を揺さぶります。

そのとき、うしろのほうから声が聞こえました。
「ここに立っていると、子どものときの自分になれるんです」
「私も今感じていました」
目の前の海を眺めながら、見知らぬ人とおしゃべりの楽しさに時間も
忘れていました。

その人と別れて約束の次の場所に急ぎます。
夕暮れには、この町を離れねばならないのです。

もう一度会いたい。
ぜひお聞きしたいことがあります。
あのなぜか懐かしいほほえみの行きずりの人。
芭蕉をつぶやきます。

「月日は百代の過客にして行き交ふ年もまた旅人なり」 


秋 田 佳 津

   
         


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