拈華微笑感想文 平成23年 6月
「拈華微笑」を拝見しました。
通読させていただいて、心にのこるのは、「月読みの光」でありました。
冒頭は月の光を浴びて舞う、があり、読みすすみますと、
望の月を仰ぎ、三日月、オレンジ色の鋭利な三日月を眺めやっておいでです。
日の光はあかあかとして全世界を照らすと言へども、
浩々と輝く満月のすずやかさ、清らかさに及ぶものではありません。
狭いコミュニティーに生きねばならぬ古代のひとびとは
月の光に照らされた時空にこそささやかな自由を得たのかも知れません。
月に依って暦をつくったところから考えても
彼らの生に月はずっと身近であったのでしょう。
秋思祭の文に添えられた地上の建物とから成る写真も見事です。
「正法眼蔵」から引かれた水に月のやどるがごとし
月ぬれず水やぶれずも美しい章句だと存じます。
ものにふれ、先人の言葉にふれられた感動をつづられた
ブログから学ぶべきことはまだまだあろうと存じますが、
私にまず響いてきたのは月の光を浴びて静かに輝いてゐる秋田佳津でした。
よきものにみちびいていただいたことに感謝です。
ますますのご精進を祈念申し上げます。
越えれる苦難は言はず 座せるまま開けえぬ 目に月を仰げる
阪 口 攻
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