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    お金ってなあに??     平成12年 1月

 「おばちゃん、こんにちわ、今塾の帰りにちょっと寄ってみた。」
 おばちゃんとちがうでぇ、おねえちゃんといいや。
 しゃない子やな、なに?おなかすいた、もうちょっとしたら晩御飯やんか。
 辛抱しい。
 
 辛抱ええ言葉やな、辛さを抱く。
 堪え難さをおさめもつ。

 今日びの子にわからんやろうなぁ、我慢とちゃうでぇ。
 「おばちゃん、お金ってなあに」
 なんや、藪から棒に、何回言うたらわかるねん。
 おねえちゃんといいや。
 そらぁ、大事なもんや。
 おばちゃんかて、ちゃうちゃう。
 おねえちゃんかて毎日必死で働いているけど食べていくだけでせいいっぱいや。
 お金にはとんと縁がない。
 せやけど、今の日本で生きていくんやったら、借金という手があって、学校へ
 いくことも海外旅行へいくこともマイホームですら、簡単に手に入るからなぁ。
 極貧なんて言葉、すたれてしまったなぁ、幸せやことや。
 煩悩って知ってるか、ちょっと難しいかなぁ。
 そのなかのひとつに金銭欲っていうやっかいなもんがあるんや。
 それは、そう、貧乏といっしょでときとして、野心や仕事の原動力になるねん
 なぁ。
 ええとこやねんから、ぽかーんと口あけてんと、よう聞いときや。
 大阪はあきんどの造りあげた町や、大阪ぐらいや儲かりまっかてな挨拶すると
 こ。
 昔、西鶴はんってえらいひとがいやはってなぁ、晩年金銭と人間の対決を主題
 に小説を書かはったなぁ。
 でも、お金の位置って低いなぁ。
 お金のことはむきだしに、話したらあかんでぇ。
 品がないちゅうもんや。
 「おばちゃん、せやからお金ってなんや」
 もっと学校で教えなあかんなぁ。
 世界のなかで、日本だけやお金のことを、義務教育で教えへんのは。
 なに?おなかすいた、もう帰りや。
 大きゅうなったらきばって働いてお金儲けしいや。
 それがなんぼのもんや。
 ええこと言うやん。
 感心してる場合やないで。
 気品低い大阪弁や。
 けど好きやなぁ。
 なんぼのもんや。
 そうそう、金銭と人間の対決のことやけど、金銭というフィルターをとおして
 見ると、その人の本質がよくわかるんやなぁ。

          秋 田 佳 津


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